指導法一例

　　学校英語の『日本語中心、丸暗記詰め込み式学習』の弊害を除くために、英語道場では英語が得意、不得意に関わらず、入門直後の生徒さんには次のような点に重点を置いて指導しています。

　　次の会話例を見て下さい　　　　　　
　　　子 　 　　　　　　　　　　　　　　母 
「ねぇお母さん、僕ねェ…」 　「どうしたの？」
「拾っちゃった！」　　　　　 「何を？」
「お財布だよ」　　　　　　　 「えっ！どこで？」
「ベンチの下だよ」 　　　　　「どのベンチ？」
「公園だよ」　　　　　　　　 「だから、どこの公園なの？」
「駅の横だよ」　　　　　　　 「ああ、あそこね。」

　この例のように、小さい子供とか、大人でも慌てているときは、まとまった長い文を作ることができないので、このようなやりとりになることがよくあります。落語の熊さん八つぁんや漫才のボケと突っ込みも同じパターンですね。
　実はこのパターンは英語の語順そのものなのです。上の子供の話だけを順番につないでみます。そしてその下にそれぞれに対応する英語を書いてみましょう。

「僕　　拾った　　お財布　　ベンチの下　　公園の　　駅の横」
“I found a wallet under a bench in the park by the station.”

　これは完璧な英語です。このように、英語の語順は『常識』で分かるようにできています。英語に自信を無くした人はこれを知るだけで気持ちの負担がずいぶん軽くなります。

　　単語や熟語、文法のルールは『暗記』と思われがちですが、それは間違いです。ことに文法は『最高に退屈でつまらない科目』と考えられていますが、実は英語の文法ルールはとても明確で分かりやすい原理に基づいています。近々出版予定の文法書でそれを公開する予定ですが、道場の生徒はすでにそれを学習し習得し、同級生に説明して『先生の説明よりずっと分かりやすいと言われた』と喜んでいる人がたくさんいます。
　このように、英語道場では『誰もが持っている常識』を土台にして、次の点の指導をしていますから、『英語は難しい』から『やれば分かるものだ』に変わるのにそれほど時間はかかりません。あとは着実に学習することです。
1 単語や熟語の覚え方
2 文法のルールの学習
3 教科書の読み方

　　残念なことに多くの高校生は『詰め込み教育』に慣れすぎて、『何をどのように学習するか』を自分で考える訓練ができていません。しかし、学習はそれぞれ異なった科目を自分の中で有機的に関連づけしながら進めて行くところに『面白さや発見』があり、それが学習意欲の向上につながります。　
　　英語道場では特に受験生を対象に、学習の仕方を中心に以下の科目も指導しています。

　　英語に限らず全ての学習の土台になるのが母国語の能力です。英語を効率よく学習するためにも、国語能力の向上は必須の要件です。国語のダメな人は英語は伸びません。国語の指導を通して、文を厳密に読む訓練をしていきます。

　　古典の学習には、日本語と外国語の学習の両方の要素があり、英語の学習と関連づけて学べば双方が向上します。また、日本史を学習する際の資料はほとんどが古典の日本語で書かれており、日本史の学習にも古典の学習はとても役に立ちます。

　　歴史も地理も政経も全ては『人間の社会活動をどの側面から捉えるか』が面白さの根元で、決して暗記科目ではありません。また、これらの科目の学習を通して獲得した知識は、英語の単語を習得する際の知識的土台として非常に重要です。この点から、英語道場では主に世界史、日本史をどのように学習するかを指導しています。

　　数学、物理、化学などの理数系科目は、国公立大学や私立大学の理系学部には必ず必要です。希望する高校生には、英語道場の卒業生の中で特にこれらの科目の優れた先輩達が、基本から受験テクニックまでとても分かりやすく指導します。
　A君 …名古屋大学３年生
　　　生物、数学担当です。生物への情熱はピカイチです。
　Ｍ君 …名古屋工業大学院１年生
　　　物理、数学、化学担当です。基本から分かりやすく教えるのが得意です。
　Ｋ君 …名古屋大学４年
　　　物理が大好きです。何事にも余裕があり楽しんで教えてくれます。
　　　英検準１級を取得し、英語のスタッフでもあります。

　　大学受験や、推薦入試で小論文が出されることが多くなってきました。『自分で考えそれを伝える能力』が重視され始めています。英語の学習上もこの能力はとても重要な要素の１つです。特に、高いレベルの英語を目指す人は、これを確実につけておく必要があります。英語道場では、新聞の社説や質の高い評論文を題材にしたり、現代的なテーマを与えて小論文の指導をしながら、それを英語で述べる練習も取り入れて、英語学習の向上にも利用しています。